教会からバスで出発したエイブラハム、ロジータ、ユージーン、グレン、マギー、タラの6人。車を走らせている途中、十数体のウォーカーの一団を通り過ぎた。しかし、その語しばらくして、タイヤがパンクしたのか、バスは横転してしまう。
男は缶詰を持った手で床に倒れた別の男を殴っていた。気絶した床の男の喉に足を置き、踏みつけてとどめを刺した男はエイブラハムだった。そこはスーパーマーケットの食料品売り場だった。エイブラハムは「エレン」と叫んでスーパーマーケットの中を走る。
エイブラハムが現実世界で目を覚ますと、そこは横転したバスの中だった。バスのエンジンから火が出ているが、外はウォーカーに囲まれている。グレンがテキパキと指示を出し、全員で外に脱出する決意を固める。
幸いなことにバスのメンバーたちはユージーン以外ある程度戦えるメンバーだった。各々ナイフでウォーカーを屠っていく。ユージーンもナイフを持たされたが、彼は逃げ腰でとても戦える状態ではなかった。
無事にウォーカーを排除したところでバスが炎上してしまう。エイブラハムは歩いてでもDCに行くと強硬する。ユージーンは車がない中先に進むのは危険だと進言するが、エイブラハムはなぜか頭に血が上り、絶対に行くと言い張る。
グレンがたしなめることで、冷静になるエイブラハム。グレンは冷静な彼の味方であると言って聞かせ、全員でDCに向けて再出発する。
エイブラハムは店の中にエレンと二人の子供を見つける。うずくまった姿勢から立ち上がった三人は人であった。
エイブラハム達はどこかの図書館に侵入し、本棚でバリケードを整え、その日の仮宿とした。手の甲をケガしていたエイブラハムは、ロジータに縫ってもらい、その後見張りに立つグレンのそばに行った。
エイブラハムはグレンを理解者だと言い、感謝していた。彼らは世界を変えてともに助かることを誓う。その後エイブラハムは寝る前にロジータとSEXをすると言ってその場を離れる。
エイブラハムとロジータがSEXをしている姿を陰から覗く人影があった。ユージーンだった。ロジータはそれに気づいてエイブラハムに教えるが、いつものことだと言って二人とも気にしなかった。
やがて、エイブラハムのそばにタラが現れ、今日ウォーカーに襲われたときに、自分が危なかったのを必死のユージーンが救ってくれたことについて礼を述べた。しかし、エイブラハムはバスが事故を起こしたのは自分が細工したためだと告白する。
その理由を言わないままその場を離れようとしたユージーンをタラが止める。ユージーンは自分一人では生きていけないが、世界を救えなければ誰も生き残ることを助けてくれないだろうと答えにならない答えを返した。タラは仲間だから助け合えると言い、彼を安心させる。
そして二人はとりあえずその場を立ち去り、明日に備えて寝ることにした。
エレンたちは血まみれのエイブラハムの姿を見て、おびえて彼に近づこうとしなかった。
翌朝、一行は向かいに停めてある消防車が動くことを確かめ、乗り出そうとした。がしかし、すぐに故障する。修理をしようといったん外に出ると、その消防車がふさいでいた建物の扉から、ウォーカーが何体も現れた。
再び戦闘を始めるメンバーたちだったが、ユージーンが機転を利かせ、消防車の上から、ホースでウォーカーたちに水を浴びせる。ウォーカーたちの体は腐敗しており、水圧だけで砕くことができた。
エイブラハムが床で目覚めると、エレンたちがいなくなっていた。レシートの裏側に「探さないで」と書いてあったが、エイブラハムはエレンたちを探して外に駆け出す。
消防車は再び止まっていた。修理を諦めるころ、風に乗って悪臭が漂ってきた。様子を見に先に進むと、遠くの牧場に無数のウォーカーがいるのが見えた。
一度引き返して別の道を探ろうとするグレンたちだったが、エイブラハムだけ強行すると言い張る。全員に反対を受けたエイブラハムは踵を返し、突然ユージーンの腕を掴んで歩き出した。
突然の彼の強引な行為に、全員で止めにかかる。しかし、エイブラハムはそれを振り払い、ロジータに至っては地面に倒れこんでしまう。騒然となる一行。すると、ユージーンが「科学者じゃないんだ!」と叫んだ。全員の動きが止まる。
ユージーンはただ頭が良いだけで、科学者ではないと言った。DCに行きたいのはそこが最も生き残れる確率が高いからだと言う。道中、彼をDCに送り届ける目的で多くの者が死んだと責めるロジータ。ユージーンもそれは承知しており、亡くなった全員の名前を記憶していた。
自分勝手な言い訳に、エイブラハムがユージーンを殴りつける。二、三発殴った後、ユージーンは気絶して倒れてしまう。さらに追い打ちをかけようとするエイブラハムをロジータが銃に手をかけ止める。しかし、その目は悲しみにあふれていた。
店の外に出たエイブラハムはすぐに妻子の無残な姿を見つけた。跪いて脱力するエイブラハムだったが、そのとき背後から助けを呼ぶ声が聞こえた。見れば見知らぬ男が三体のウォーカーに追われてフラフラと歩いている。
エイブラハムは事も無げに三体を葬り、再び妻子のそばに戻ろうとしたが、その男が「置いて行くな」と言う。
なぜだと問うたエイブラハムに、その男、ユージーンは「自分には大切な使命があるからだ」と答えた。