エゼキエル王とその部下たちは、トラックの荷台に何か丸い物を置き、それが動かないように固定して静かに荷台の扉を閉めた。
キャロルは王国に戻った。王国の周りにいた数体のウォーカーをいともたやすく排除した彼女に驚く門番たち。キャロルは黙って中に入り、モーガンの居場所を尋ねる。
キャロルは彼にアレクサンドリアの住民が無事なのかと問う。モーガンはそれに答えず、今はもう王国にいないダリルに聞けと言う。そして、彼に会うためにアレクサンドリアに行くのであれば自分もついていくと提案した。
しかし、キャロルはその申し出に応じず、再び町を出た。戻りの道中、来がけにとどめを刺さなかったウォーカーが殺されているのを見つけ、周りの様子をうかがう。
キャロルが立ち去った後、建物の陰から姿を見せたのはリチャードだった。
エゼキエル王とその側近、モーガンはトラックの荷台に収穫したばかりのメロンを乗せ、どこかへ向かおうとしていた。しかし、途中で買い物カートが並べられ、道を塞がれた場所に出くわす。
警戒して車を降りるメンバーたち。カートは矢印のような形に並べられており、全員でその先へと向かう。建物の陰にあったのは「私をここに埋めてくれ」と書いた看板と、人が掘ったと思われる空の墓穴だった。
その状況は精神の安定を欠いた人物の仕業だと考え、彼らはカートをどかして再び車を進めた。
救世主との取引場所にはすでにリーダー格やジャレッドをはじめとする数人が来ていた。トラックの荷台を開けると、少数のメロンしか載っていなかった。リーダー格は銃ももらうと言う。最初は抵抗したエゼキエル達だったが、やがて渡さざるを得ないことを悟って銃を渡す。
リーダー格は感情的になりやすい王国の人物たちのために銃を預かったのだという。そして、今日はメロン12個の約束が11個しかないと言った。エゼキエルは出発の時は確かに12個あったと主張するが、やはりその場にあったのは11個だった。
リーダー格は今この場で契約を守らなかった意味を分からせると言った。背を向けたままのリーダー格の言葉を受けてジェレッドはリチャードに銃を向ける。覚悟を決めたリチャードが「やれよ」と言うと、ジェレッドは銃の方向を変えて弾を撃った。
弾はベンの太ももに当たる。予想外の出来事にリーダー格はジャレッドを叱責しつつ、契約を守らないとどうなるかを理解したかとエゼキエルに強く言う。エゼキエルは同意して、ベンを手当するためにキャロルの家に運び込むように指示を出す。
キャロルが庭先で植物の種を植えていると、エゼキエル達の車が猛スピードでやってきた。すぐに家のテーブルに彼を寝かせて止血を試みる人々だったが、出血の勢いは止まらず、やがて彼は息を引き取った。
モーガンは怒りに震え、一人町への道を引き返していた。先ほどカートで道をふさがれていた場所にやってきて、怒りにまかせて周囲にあった籠を蹴ると、その中から一個のメロンが転がり出た。
メロンをこの場に隠せた人物を考えたところ、カートに道をふさがれたときに最後に車を降りたリチャードが思い当たった。
モーガンがリチャードの部屋を訪れ、メロンを投げると、彼は自分の命と引き換えにモーガンを戦わせようとしたのだという。そして、自分の挫折と覚悟をモーガンに話し、何が何でも救世主を排除したいと伝えた。
翌日エゼキエルはたった一個のメロンを側近たちと共に運んだ。取引所に先に着いた王国の人物たち。その場にはベンの血とモーガンおよびベンの棒が残されていた。モーガンがそれを拾い上げると、ちょうどニーガンのメンツがやってきた。
リーダー格はベンがどうなったか尋ね、彼が死んだことを悟ると、ジャレッドに何も言わずにその場を歩いて立ち去れと言った。
そして、リチャードの手からメロンが引き渡される。その直後、モーガンが後ろからリチャードに殴り掛かり、倒れた彼の首を絞めて殺害した。周囲の人物はあっけにとられて十分にモーガンを止めることはできなかった。
モーガンはメロンを隠したのがリチャードで、王国と救世主と戦わせるために仕込んだことだったと告げる。そして立ち上がり、リーダー格に自分たちがどのように生きるべきか知っていると啖呵をきった。リーダー格は気圧され、メロンを手にその場を離れた。
話を聞いたエゼキエルはモーガンを王国に連れ帰ろうとしたが、モーガンはそれを拒否した。
モーガンはリチャードの頭部にナイフを立てた後、彼の遺体を引きずって歩いた。そして、彼の遺体を例の墓穴に埋めたのだった。
その後モーガンはキャロルの家を訪れ、リチャードを殺したことを告げる。彼のせいでベンが死んだことも。そして、彼女にアレクサンドリアのことを知りたいかと尋ねた。
知りたいと答えた彼女に、グレンとエイブラハムがバットで殴り殺されたことを告げる。今は彼らに供給する立場にあることや、オリビアやスペンサーも殺されたことを告げる。それだけ言ってモーガンはその場を離れようとする。
どこに行くのか尋ねるキャロルに、彼らを殺しに行くと答える。キャロルはそれを懸命に引き留めた。
そのあと、キャロルの姿が王国にあった。彼女はエゼキエル王に会い、戦いに備えるために町に移ると言った。エゼキエル王は戦うが今日ではないと答えた。
キャロルが一人で住んでいた家の玄関先にはモーガンの姿があり、棒を研ぐような姿が見られた。